NEWSおしらせ

2023/02/25

【アートスクール】フォトレポート「土に触れる」日置哲也 / カネ利陶料代表 (2023.2.25)

「土」と言っても、人が一人一人違って個性があるように
培われた場所で、色も性質もこんなに違いがある。

そんな個性豊かでオリジナルのさまざまな土を、岐阜県からはるばるお持ちくださったのは
カネ利陶料代表の日置哲也さん。

ただ地面から掘っただけの土の塊は、固まるとまるで岩のよう。
それを、まず水の入った桶に入れてみます。
水に沈み、こどもたちが触って、どんどん粘土質に変わっていきました。
「みんな!この粘土を育てるんだよ!」と音頭をとってくれる子もいて
興奮しながら、土の塊を水で磨き、粘土状にしていきました。

次に、もう少し砕いた塊が登場。それも桶の水の中に入れてみます。
「この音を聞いてみて」と日置さんがおっしゃると、土の塊から、空気の泡がどんどん出てきました。
こどもたちの興奮の声にかき消され、残念ながらその破裂音を聞くことはできませんでしたが、
発泡する様子に、「炭酸じゃん!飲みたい!」と言い出す子もいるほど。

では、さらにそれを砕いた土に水を加えて捏ねていくと、どうなるか。
日置さんが見せてくださると、みるみるうちに、先ほどの土が粘土へ変わっていきました。
それをみて、やりたい!とみな大盛り上がり。
一人1枚ずつ木板の上で、土と水を調合しながら、好きな硬さの粘土にし、自由な形を創作することに。

今回、特に何かを「作る」ことがゴールではなく、
土と触れ合い、土の種類の幅広さや水との関係、
変化する様を観察してもらうことを大切にしていたのですが、
気づけばみんな自由な発想で、何も言われなくとも自然と作品を生み出していました。

中には、「充電器」を作って、元々作っていたやかんに、
これに挿せるんだよ〜と見せてくれたり、
喉が渇いたから、作りたての粘土のコップで飲みたい!と言う子がいたり
これ何?と聞いても「わからない」と、作る本人すら未知の形が
こどもたちの手からたくさん生まれていました。

最後に、お土産として20種類以上のオリジナルな土を瓶に詰める作業を行いました。
そこでも、誰よりも早く詰める子がいれば、丁寧に考えながら美しさを考えて積層させる子もいて
個性的な土を通して、人の個性もとても強く出ることがとても興味深かったです。

初めは輪になかなか入ろうとせず、濡れた土に触れることを敬遠してたお子さんが、
最後は前のめりに積極的に楽しんでいたことも印象的でした。

土の力で、都会のこどもたちの感性が野生に還る、特別な時間。
日置さん、ありがとうございました。