NEWSおしらせ

2025/03/28

【イベント】 『SPECIAL SESSION|「シカトと鹿と、、、』フォトレポート(2025.3.23)

第1回目のイベントからはじまった、「SPECIAL SESSION」というコンテンツ。
才能溢れるティーンエイジャーと、気鋭のアーティストがコラボレーションし
生まれる新しい表現・化学反応を楽しんでいただくというもの。

今回は、10回目ということもあり
これまでさまざまなティーンズとアーティストとのご縁を積み重ねてきたからこそ
実現した2組による、特別なセッションが行われました。

2組目は「シカトと鹿と、、、」。

8年前の「DTC CREATIVE SESSION 2017」にて
当時、ティーンエイジャーとして「SESSION」に参加したアオイヤマダさん。
今回は、高村月さんと「アオイツキ」というユニットで
コラボレーションアーティストとしてSPECIAL SESSIONに参加していただきました。

そんなお二人とセッションする大庭慈瑛くんは、昨年度「DTC CREATIVE SESSION 2024」の
コンテストで魂のカホンを演奏してグランプリを獲得したティーンエイジャー。

彼は音楽だけでなく、グラフィックデザインを学ぶ美大生で
そんな幅広い才能を活かしてアオイツキのお二人が考えてくださったのが
慈瑛くんのデザインした花札から発想して作られた「シカトと鹿と、、、」の物語です。


鹿が、そっぽを向いた花札は、”紅葉に鹿”と呼ばれ、十点満点。
そこから生まれた”鹿十(しかと)”という言葉。
でも、鹿は無視した訳ではなく、ただ違う方を振り向いて、新しい景色を眺めていただけ。

そんなプロットから高村月さんが脚本に落とし込み、
アオイツキのお二人と大庭慈瑛くんが身体と音を目一杯使って表現したのが
今回のSPECIAL SESSION「シカトと鹿と、、、」です。

「もしもーし!」
誰かに電話をかけるアオイヤマダさん。
「あ、シカト?」
なかなかつながらない様子・・・

「もしもーし!もしもーし!」
すると、ようやくあちらかも応答する声が。

「あ、繋がった!」

そのセリフを合図に、
アオイさんが今回のために作ってくださった無機質でクールなビートが流れ始め、
慈瑛くんの叩くカホンの低い音が重なり、明かりに照らされた月さんが現れます。
アオイさんの妖しい影とともに踊る月さん、アオイツキの踊り語りが始まりました。

“もし、とても無邪気になれたなら
もし、好奇心の種を知れたなら
もし、ワクワクの花が咲いたなら
もしもし、もしもし、もしもの話。

もし、学校にいくのが苦手でも
もし、誰かと一緒に学べたら
もし、そんな場所を見つけたら
もしもし、もしもし、てんてんてん。

好きを眺めよう、シカトのように。”

今年で10周年を迎える「代官山ティーンズ・クリエイティブ」へのお祝いの意味も込め、
さらに今回のイベントテーマでもある「TEN展、」にもかけた
愛溢れるメッセージを、セリフとシンクロしたパフォーマンスで
伝えてくださるアオイツキのお二人。

するとビートが止み、
「あ、鹿だ!」

アオイさんが、巨大な「紅葉に鹿」の花札を見つけ、客席の視線は
3枚の巨大花札「猪鹿蝶」の前で演奏する慈瑛くんの方へ。

二人もステージ端からオーディエンスをかき分けて、慈瑛くんのもとへ向かいます。

途中、泣いたり叫んだりぐずっている赤ちゃんの反応すら、
パフォーマンスの一部に取り込んでしまうので、
観客のみなさんから、思わず笑いや笑顔がこぼれました。

慈瑛くんがストイックに刻むリズムに呼応するように
2人は、ますます自由な発想で踊り語ります。

「ねーねーねー、どんな音?」
「蝶が花に群がる音!」

「ねーねーねー、どんな音?」
「いのししが走る音!」

慈瑛くんに対してアオイツキが、
いろんなお題を出しては、慈瑛くんが音で答え、
その音に乗せたパフォーマンスが続きます。

コンテンポラリーの独特な身体表現と、
コミカルな面白さと、
ミキサーによって変幻自在なカホンの音が、絶妙に混ざり合って
誰も見たことのないセッションにこどもも大人も、みな釘付けでした。
縦横無尽に踊るお二人は、またステージ側へ移動したり、会場を大きく使って表現します。

最後は、本番の前日にちょうどから20歳の誕生日を迎え、ティーンエイジャーを卒業した慈瑛くんに
「お誕生日おめでとう、じえいくん、てんてんてん!」とアオイツキのお二人が歌い
会場のみなさんも慈瑛くんを祝福しながら
大きな大きな拍手と、あたたかい感動に包まれ、あっというまのフィナーレ!

アオイツキは、
一緒にコラボレーションする慈瑛くんの表現の幅をさらに拡げるべく彼を信じてさまざま仕掛けたり、
見る人のワクワク・創造力を刺激したり、それがまた見る人に大きな感動を与えたり。
お忙しいのに深い愛情と時間をかけて臨んでくださり、本当に感謝しかありません。

一方、慈瑛くんも、普段暮らす滋賀県からこの企画のために東京に来てくれて
リハを重ねるごとに悩みながらもどんどん変化して吸収して
堂々と楽しんでパフォーマンスする姿に、これからがますます楽しみになりました。

この度は、改めまして素晴らしいスペシャルセッションをありがとうございました。

この10年、個性豊かなこどもたちと出会い、
それぞれの持つ表現がまたさらに拡がり花開くきっかけづくりを重ねてきたからこそ実現した、今回の特別な2つのセッション。

込められた思いや、「・・・」に隠されたメッセージを胸に、
また次の10年へと、私たちも繋いでいければと思います。

 

写真| shuyanakano

<SPECIALSESSION>

「シカトと鹿と、、、」
生演奏|大庭慈瑛
コラボレーションクリエイター|アオイツキ(アオイヤマダと高村月)

音楽制作|アオイヤマダ
脚本|高村月
花札デザイン|大庭慈瑛
ヘアメイク | 冨沢ノボル
協力|Oi-chan

企画・制作・進行|代官山ティーンズ・クリエイティブ