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2024/09/08

【アートスクール】フォトレポート『「わたしのネコ図鑑」をつくろう!』 服部円 / 編集者(2024.09.07)

あなたはネコ派?イヌ派?

身近な動物「ネコ」についての研究は、イヌに比べるとまだまだ始まったばかりだそうです。

本日のアートスクールは、ネコについての最新の研究を知り、「わたしのネコ」を分析して冊子にまとめます。講師の服部円さんは、ファッション誌の編集者から大学院に入りネコ研究を始めた異色の経歴の持ち主。「編集者」「研究者」の両方を活かしたワークショップを開催していただきました。

まずはネコの歴史や世界での飼われ方など、ネコ研究の概要を教えてもらいます。難しい話もありましたが、大好きなネコのことなので、みんなしっかり聞いています。

そして、ネコと言えば「見た目がかわいい」という話題に。
「ネコのどこがかわいい?」と服部さんが問えば、
「脇の下の毛がふわふわしているところ!」
「耳がピンとしているところ!」
うちのネコ自慢にも似た、言葉が飛び交います。

かわいいかどうかはただの主観のようですが、実は「幼型図式(ベビースキーマ)」という説があります。ヒトが「かわいい」と思う赤ちゃんの特徴とネコの外見の特徴は似ていて、ネコはその特徴のまま成猫になるから、と説明できるようです。

それから、ネコにどんな能力があるのか、他の動物と比べてどうかなど、ネコの能力について話が展開します。きまぐれなネコは実験をするのが難しいけれど、徐々に解明されつつあるようです。

ここまでくると、服部さんのお話の内容から参加者それぞれのネコの行動を連想しつつ、鋭い質問が飛び出します。
「ネコはヒトの表情を見分けるというけど、怒られるとすぐに隠れてしまううちのネコはどうやって見分けているんですか」
「うちには5匹ネコがいて、仲が良かったり悪かったり、人間との仲の良さもさまざまです。ネコは本来単独行動をするというなら、どう考えたらよいでしょうか」

たとえば「猫島」のように、ネコが群れで住んでいる場所では、ネコにも社会が生まれているそうです。最近は子育てをするオスネコもいるのだとか。人間社会の変化のようです。地域ネコや外来種の問題など、社会のなかでのネコについても触れていただきました。

さて、ネコへの理解を深めたところで、「わたしのネコ図鑑」を作りましょう。

実際のイエネコの研究にも使われる調査アンケートを事前に実施し、それぞれのネコの写真も持参してもらっています。
ネコのプロフィールやネコが好きなことを書き入れ、顔のかたちや色、毛の色、しっぽをよく観察して、色鉛筆で塗っていきます。いつも一緒にいるネコでも、意外に知らない部分があるようです。
最後に、アンケートから「活動性・社交性・攻撃性・神経質・分離不安」を分析したものをチャートに記入し、完成です。みんなの結果を比べてみると、それぞれに性格が違っているとわかります。

小学生から大学院生と幅広い年齢層の参加者でしたが、「ネコ好き」という共通点で、ネコ飼い「あるある」でも盛り上がりました。すでにネコ研究の道に進んでいたり、動物を題材にした自由研究に取り組む参加者もいました。今日のアートスクールをきっかけに、ネコとヒトとのよりよい関係をみんなでつくっていければと思います。