NEWSおしらせ

2024/06/03

【アートスクール】フォトレポート『フレグランススプレーワークショップ』fragrance yes 山野辺喜子 / セラピスト、フレグランスコーディネーター(2024.06.02)

じめじめと気が滅入りがちな梅雨、夏の厳しい暑さを乗り切るため、
すっきり心地よくなるフレグランススプレーのART SCHOOLを開催しました。
講師をしてくださったのは、天然素材のフレグランスを扱う fragrance yes の山野辺喜子さんです。

今日は特別に、DTC屋上で育てたハーブを収穫し、蒸留器でオイルを抽出します。

さっそく屋上に上がりましょう。
バジル、ローズマリー、ミント、ラベンダー、タイム、オレンジバーム……
香りや見た目を楽しみながら、一人ずつ花束のようにして摘んでいきます。

ハーブが収穫できたら、山野辺さんから香りについてお話をしていただきました。
たとえば「オレンジ」の精油をみんなで嗅いでみます。
「知っているオレンジとちょっと違って、強い匂い」「果汁から作るの?」
実はオレンジの精油は果皮から抽出したもの。
一方で、身の回りにある香料は化学的に作られたものが多く、だから香りがずっと続くとも。
香りのもとは植物の油分なので、「ハーブも少しベタっとする!」という発見もありました。

今日は実際に抽出する方法も学びます。
まず、みんなで集めたハーブを細かく千切り、部屋中がよい香りに包まれます。
水を入れた円筒フラスコにハーブを詰めて温めると、発生した蒸気が上部の管を通って隣のコイル管に移動します。
管の外容器はポンプで汲んだ水で満たし、「そうやって冷やすんだ!」と、早くも仕組みを理解した子も。
意外にシンプルな構造なので、理科の実験を思い出したかもしれません。
冷やされた蒸気が、水分と油分に分離して、下の容器にゆっくり抽出されていきます。

抽出には約1時間かかるので、その間に自分だけのオリジナルスプレーを作ります。
材料は、約20種類の自然素材のアロマオイル、山野辺さんが調合したオリジナルオイルもあります。
「さっきのを、もう一回かぎたい」「これは何の香りだろう」
気になる香りをメモしつつ、楽しく迷いながら3種類を選び出し、好きな順に並べます。
それぞれ何滴入れるとバランスがよくなるか、山野辺さんとお話ししながら、一人ひとりのレシピが決まりました。

エタノールをビーカーに入れ、レシピのオイルを入れていきます。
入れ過ぎても減らすことはできないので、慎重に1滴ずつ落としていきます。
「少し甘い香りにしました」「この香りが気に入ったので、それを中心に」
イメージする香りに近づけるためオイルを加えて調整し、精製水を加え、
スプレーを容器に移してシールを貼り、フレグランススプレーが完成しました。

香りの残ったビーカーをみんなで回しながらかいでみます。
こんなにたくさんの香りを比べる経験は初めてかもしれません。「でもどれもいい匂い!」

さて、蒸留器はどうなったでしょうか。
山野辺さんが手に取った容器には、50mlぐらいのアロマウォーターと、その上面にわずかなオイルが浮かんでいます。
「みんながたくさん摘んでくれたハーブを使っても、とれるのはたったこれだけなんです」と教えていただき、あまりの少なさにみんな驚いたようです。

「アロマオイルは高価だと思われるかもしれないけれど、たくさんの素材と、たくさんの人が手をかけて作られているんです。だから、大切に使ってくださいね」と山野辺さん。
身をもって実感したばかりの参加者全員がうなずいていました。

大事に作ったオリジナルのフレグランススプレー。やさしい香りで安らいでくださいね。