NEWSおしらせ

2024/01/14

【アートスクール】フォトレポート『みんなの色について、みんなではなそう!』 清水文太 / アーティスト、下山田志帆 / 女子サッカー選手、大谷明日香 / プランナー(2024.1.14)

今日は、アーティストの清水文太さんをお迎えし、
文太さんが作られた絵本「みんなのいろいろ」の読み聞かせ&トークショーを開催しました。

なんとなくこれまでがそうだったからと決まっているルールが多々ある中で、
それによって堅苦しさを感じたり、違和感のある人が実はいることを
「いろ」に例えて表現されている「みんなのいろいろ」。

まずは、文太さんの読み聞かせからはじまりました。

スポーツを題材としていることもあり、
あるスポーツをやりたい男の子がいても、変な目で見られてやりづらい、
あるスポーツのユニフォームが、女の子だからこの色!と決められていて
自分の好きな色と違って辛いことなどいろんな人がいること、
ではそこからどうしていけばいいかについて綴られていました。

読み聞かせの後、
この本を制作するにあたり、
アドバイザーとして参加された下山田志帆さんと、プランナーの大谷明日香さんも
ゲストスピーカーとしてお越しいただき、
参加者のこどもたちと本の感想をシェアし合いました。

「多くの人が知るべきことだから、絵本というメディアを使って広く伝えられるので、ありがたいことだと思った」
「男の子だからできない、女の子だからできない、ということは、たまにあるとおもった」
「本に使われている色がきれいだった」
「なぜ、赤と青ではなく、オレンジと緑にしたんですか?」

など、さまざまな意見がでました。

さらに内容に感動した中学生は
「好きな色は自分で決めていいし、他人の色も肯定する世界がもっと広がればいいと思います」
と、涙を流しながら、一生懸命感じたことを伝えてくれました。

今度は、学校生活の中で何か違和感をもったことあるかな?と文太さんが問いかけると、

ある高校生が
「自分の学校のトイレは、男子、女子、だれでもと3つ一応わかれているけど、だれでもトイレを使うには、
自己申告で自分がマイノリティであることを先生にカミングアウトする必要があるので、
一番必要とする人が、辛い思いをするという今のシステムは、使いづらいと思う」と
重要な気づきを共有してくれました。

「そうやってまず、気づいてくれている人がいるということもすごく大事だと思う」と大谷さん。

「でも、気づいてるけど、自分は部外者だから、何もできない・・」と高校生が言うと、

下山田さんから
「部外者だからと線引きせず、おかしいと思ったら声をあげ、部外者だからこそ、
働きかけることもできるんじゃないかな?」と教わり、大きくうなずく高校生。

他にも、
「自分の周りに女の人だけど、坊主の人がいて、その人はとってもかっこいい!」
「恋バナするときも、男の人は女の人がすき、女の人は男の人がすきという前提ではなすことに、気を遣います・・」
といった、多様な価値観を認め合う意見が、飛び交いました。

最後に絵本のラストにでてくる真っ白なページを全員で、自由に色ぬりをすることに。

線の中を好きな色で丁寧に塗る子、
線をどんどんはみ出して、絵本のインスピレーションのまま、「カラフルさ」を表現して塗る子、
もともとはズボンだった下絵を色でスカートへと塗り替える子、
柄をオリジナルで足したり、1色でなく、グラデーションで塗る子など・・
「ぬりえ」ひとつで、こんなにも多様な個性が表現されることに、とても希望を感じました。

まずは、いろんなセクシャルがあるということを知り、型や固定概念にはめようとしないこと。
そして、もしマイノリティな立場で辛い思いをしている人がいたら、その人のために
自分は関係ないと傍観せずに、声をかけたり、声をあげること。
自分の色も、他人の色も認め、大切にすることで、だれもが生きやすい社会が作られていくんだと
気付かされる、意義深い時間となりました。

もっと自由で、カラフルに生きられる世界を、これからも、ともにつくっていきましょう!