2023/06/03
【アートスクール】フォトレポート「日本文化体験講座「伝統花火-和火-と線香花火作り」」佐々木厳 / 和火師 (2023.6.3)
江戸時代に生まれた日本の伝統文化、「和火」。
塩硝・硫黄・木炭などの自然原料を用い、伝統的な製法で作る炭火の花火です。
本日は和火師の佐々木厳さんをお迎えし、火薬と花火の歴史から線香花火の作り方までを教わります。
そもそも火薬は、戦国時代に火縄銃の燃料として使われていました。江戸時代に入り戦いが無くなったことにより使われなくなった火薬を利用し、慰霊や奉納を目的として始まったのが”花火”であることを学びます。
自然原料を使った黒色火薬で作られる和火は現代でよく目にする色鮮やかな花火(洋火)とは違い、暖かな赤褐色のみ。色の濃淡や火の長さなど魅せる様子が水墨画のようだと、佐々木さん。
また、松を焼べて集めたすすや、火山へ足を運び採取した硫黄など、機械ではなく、佐々木さんが手間ひまをかけて手作業で作られている火薬について現物を見せていただき、触れ、香りを確かめながら、より理解を深めます。
そしていよいよ、線香花火作りがスタート。和紙に火薬を入れ、引っ張りながら捩ります。とても繊細な作業ですが、集中力が途絶えることなく、着実に美しい線香花火が出来上がっていきました。
最後の質問コーナーでは、「どうして和火師になろうと思ったのですか?」という質問が。日本の伝統が好きだから、と答える佐々木さんの想いが参加者のみなさんにも今回の講座を通して伝わったと思います。
争いのために使われていた火薬が、職人たちの手によって美しく姿を変え、人々の心を楽しませている和火。平和への祈りを込めながら、今日作った線香花火をお家で楽しんでくださいね。