NEWSおしらせ

2023/04/18

【アートスクール】フォトレポート「演劇ワークショップ~自分を解放してみよう~」前田旺志郎 / 俳優 (2023.4.15)

「僕の名前は、前田旺志郎と言います。」

ホワイトボードに、大きく名前を書き、
まずは本日の講師、前田旺志郎さんの自己紹介から始まりました。

ドラマや映画で活躍されている俳優・前田旺志郎さんが、
自分たちの目の前にいることに
小中学生の参加者たちの興奮と緊張が垣間見えます。

「今日は、演技を上手くなるのではなく、演じるって楽しいなと思ってもらえたら嬉しいです。
そして、演技は何であろうと間違いはないので、
面白い演技に対しては笑ってもいいけど、馬鹿にして笑うのは、やめましょう。
お芝居って楽しいと思える環境を、みんなで作って、今日は過ごしましょう!」

前田さんの熱い言葉に、みんな頷きます。

早速、緊張をほぐすため、体を動かしたり、大きな声を出すワークが始まりました。
自由に動いたり、スキップしたり、目があったらおじきをし合います。
それから昨日食べた晩御飯を叫んだり、
お題もこどもたちから自由に募って、好きな指(?!)を叫んだり。
どんどん体も心もほぐれていきました。

今度はグループになって、同じ言葉を、喜怒哀楽の異なる感情で表現し、
どの感情でその言葉を言ってるのかゲームを行いました。

嬉しいありがとう、怒ってるありがとう、悲しいありがとう、楽しいありがとう
各々の感性で、表現していきます。

みんなの感情もどんどん剥き出しになってきたところで、次の新しいワークへ。
最後のセリフだけが決まっていて
そこに繋がるように、台本をチームで考え、演劇を完成させるというもの。

今回使う最後のセリフは「きゃー助けて!」。

今日初めて会った同士のチームで、自分の役割や、向き不向きを探りながら
脚本が得意な子、演出が得意な子、踊りが得意な子、瞬発力のある子、協調性のある子、
それぞれの個性を活かし、チーム内で即興のお芝居を考えていきました。

前田さんも各チームを色々巡りながら、アドバイスしたり
いろんなアイデアを提供くださいます。

さあ、いよいよ発表です。

1チーム目は、学校の帰り道に変な人に襲われるというお話し。
ステージだけでなく、場所を紙に書いていろんな場所に貼り、
その場がわかるよう工夫して、演じるチーム。
前田さんも急遽出演くださって、チームのお芝居のリアリティが一気に上がります。

次のチームは、バレエの舞台で、本番中に床が抜けるというお話し。
なんと演者はほぼセリフがなく、語り部が登場し
ナレーションが入ることで、今何が起こってるのか、その世界がはっきり見えました。

最後のチームは、たまたま高学年が揃ったこともあり
かなりしっかりした内容を作り込み、
長いセリフも自分のモノにし場の使い方や演技も、お見事でした。
心霊スポットに来てしまった友達四人が、パニックに陥り、後ろを振り返った時に・・
というお話し。

それぞれの柔軟な発想と創意工夫が素晴らしく、前田さんも驚かれていました。

最後は、また新しいチームになって
前田さんが今日のためにご用意くださった台本を覚えて演じるワークを行いました。

舞台は、学校の放課後。
大切なものを壊されてしまった子に、真摯に謝る友達。それを仲裁する友達。
最後は、みんなで仲直りして、一緒に遊びにいき、結局仲良いんじゃん!という短いストーリー。

セリフを覚えること自体初めてのことなので、覚えることに必死で
加えて演技までもするとなると、混乱する子もいましたが
3チームとも、みんなやり切って、同じ内容でも、台本に少しずつアレンジを加えて
チームごとに個性のある、お芝居が見られました。

内容的に難しい部分もあり、個々には納得のいかない部分もあったかもしれません。
それでも、はじめに前田さんがおっしゃったように
誰も人の演技をなじることなく、
みんなが気持ちよくお芝居できる環境を作ってくれたおかげで
演技の楽しさを体感することができたように思います。

そして、3月イベントでのコンテスト審査員から続けてお世話になっている前田旺志郎さん。

こどもたちと年齢も近く、優しいお兄さんからいろんなことを教わり、
俳優としての演技力はもちろん、人としての魅力にも溢れた前田さんと
交流することができたこどもたちの表情が、始まりと全然違って、
和やかにリラックスし、ありのままでいられて、本当に嬉しそうでした。

自分を解放して、演じる楽しさを知った今日の参加者が、
そんな前田さんと、いつか表現者として一緒に作品を作る日が来たら、DTC冥利に尽きます。

貴重でワクワクするひとときを、本当にありがとうございました!