2024/11/25
【アートスクール】フォトレポート『日記的な曲作りのススメ』 池貝峻 / アーティスト(2024.11.24)
『みんな、そもそも音楽ってどこから生まれたと思う?
太古から「音楽」というものはあったと思うけど、まずは「音」が先にあったと思うんだよね。
雨の音、風の音など身の回りにある音を組み合わせて、
感覚的に気持ちがいいものを見つけて、形にしたものが音楽だから、
気負わず、ただ絵を描くように、日記を書くように、音楽って作れるんです。』
アーティストの池貝峻さんをお迎えして、
『日記的な曲作りのススメ』 のアートスクールを開催しました。
近年、「売れるための音楽、ばずるための音楽、再生回数を稼ぐための音楽」など
偏った目的の音楽も溢れていますが、
本来、人が音を出す中で重要なことは、自分の何と繋がっているのか、ということ。
音は、気持ち・感覚の延長でしかありません。
ある種、気持ちを伝え合うための「言葉」と同じなんです。
この音の名前はドです、レ、です。コードはCです、Fです、というように
共通する感覚を音階やコードという言語を使って、伝え合うためのルールはあるけれど
自分の気持ちに従って音を鳴らせば、どんな形でも「音楽」になるんだそう。
冒頭、池貝さんから音楽を作る上での根幹についてのお話があり、
みな深くうなずきながら、興味津々に話を聞いていました。
そしてメジャーやマイナー、コードといった音楽作りにおける簡単なルールについて
アカデミックな説明を受けた後、
まずは最近心に残ったこと、思い出、気持ちを紙に書き出しました。
誕生日を迎え、11歳の記念になる音楽を作るとテーマがはっきりした子や
ここに来るまでに、かわいい犬と出会ってラッキーだったことをメモする子も。
自分のメモをみながら、そのときの気持ちにぴったりくるコードを
コードの鳴るアプリを使いながら、ひとつひとつ聞いて確認して、探していきます。
「みんなが最近あったできごとや情景が、たとえば映画のワンシーンだとして、
そのBGMを作るようなイメージだよ」と、池貝さんからみんなにアドバイス。
最近忙しくていろんなことにストレスを感じているとメモしていた子は
マイナーのコードをたくさん選んでいたり、
スマホの写真を見返して、
学校帰り、疲れて帰ってきた途中の夕焼けが綺麗だったという写真から
この時の気持ちは、マイナーコードから、メジャーコードに変わっていった。という子など
それぞれ、自分の気持ちを音やコードに変換し、それぞれの音楽がどんどんできあがっていきました。
時間の関係で、完成し切ることができない参加者もいましたが、
忘れたくない気持ちや、大切な思い出を、メモに書き留めるように、
音楽とは、気軽に生み出せる身近なものだを知る、貴重な体験となりました。
最後に、みんなが作った音楽を全員で聞き合い、
このコード進行めちゃくちゃいいね。
この部分のメロディ俺好きだなあ、
あえて間違えたコード進行が逆にいいよね、など
一人一人の音楽に対して、池貝さんが丁寧にコメントをしてくださいました。
池貝さんが、それぞれの個性や人柄が、作った音楽を通して感じられたとおっしゃっていたことも
印象的でした。
完成させるまでは決して簡単ではないけれど、
音楽を作ること自体は、決して難しくない。
もっとみんな音楽を作ることを気軽にとらえてもらいたいですし、
音楽作りは、今の自分を知ることに繋がるという発見もありました。
これからも、今の自分の気持ちに寄り添う音を
たくさん見つけて楽しく表現してもらえたら、うれしいです。