NEWSおしらせ

2024/04/20

【アートスクール】フォトレポート『あなたのこころは今、何色?和菓子でこころの色を包もう』 小川紗季 / 和菓子作家(2024.04.20)

春。

それぞれの新しい環境に、わくわくと不安の入り混じる、そんな季節ですね。

今日は、和菓子作家の小川紗季さんをお迎えし、
「練り切り」に、いろとりどりな色を加え、自分の今の気持ちを表現する
アートスクールを開催しました。

外側をくるむ「練りきり」、中にいれる「こし餡」、「白餡」をご用意くださり、
まずは、餡の中に、いちご、あんず、カカオ、好きなものを練り混ぜていきます。

デモで見せてくださった小川さんの手慣れた手つきにみな釘付け。
和菓子作りに興味ある参加者は、たくさん質問をして、
熱心にノートにメモを取るシーンもありました。

小川さんがサンプルとしてご用意くださった「練り切り」も、
それぞれ意味が込められていて
「これはわたしがこの仕事を始めてから初めて作った練り切りで、
将来、こんな風に輝けるよう願いを込めて、ラインの先に金箔を乗せています」
「今日、実は少し緊張してるから、紫色と、楽しみもあるので、ピンクの2色を使ってみました」
など、なぜこの形や色になったのか、そんなお話しを聞きながら、
奥深い和菓子作りを、教わりました。

小川さんは、作る所作まで本当に美しく、
手のひら、指先、道具を駆使しながら、丁寧につくられていく練り切り。

食べる人が見た時に一番美しく見えるよう、ちょっとした傾きがつけられていたり、
シルクの茶巾で絞り、その皺を生かしたデザインだったり、
茶漉しから練り切りを押し出して、お花のガクのような形にして装飾してみたり。
細やかな気遣いと、繊細な造形、やさしい色使いに、日本らしさを感じられました。

こどもたちは、教わったままの形をやってみたり、
そこから発想してオリジナルの表現に挑戦してみたり、
和菓子作りの楽しさを知ると
みなどんどんスピードアップして、アイデアも次々と湧いてくるようでした。

こどもたちが、どんな色やどんな形に興味持つかわからないからと、
本当にたくさんの材料と、色や飾りをご用意くださって
和菓子による表現の可能性を、広げてくださった小川さん。

それに呼応するように
思いもしないような飾り付けや、色から発想されるおもしろい形など
こどもたちのつくる和菓子からは、丁寧さと創造性の豊かさが溢れていました。

和菓子にくるまれた、それぞれの「今」の思いや気持ちが、
やさしい美味しさに変わる特別なひとときを、
いつか立ち止まったときに、ふと思い出してもらえたら、嬉しいです。